プロローグ
アセアン各国において、過去10年のスマートフォンとソーシャルメディアの普及は目覚ましいものがありました。今やアセアン生活者の情報源はソーシャルメディアが中心になっているといっても過言ではありません。
しかし、次の10年を見据えたとき、近年日本や中国、アメリカなどでは「スマートフォンの次にくる技術」が次々と普及する兆しを見せています。IoT、AI、EC、コネクテッドカー、スマートスピーカーなど、新技術が世界の生活者行動を変えはじめています。
では、アセアン生活者がこうしたテクノロジーに出
では、アセアン生活者がこうしたテクノロジーに出会ったとき、どのような変化が起こるのでしょうか?そして、企業やブランドとのかかわり方はどのように変わるのでしょうか?
今回、アセアンの先端ユーザー事例を含む独自調査などから、新しいテクノロジーがアセアン生活者に起こす行動変化、ブランドとのかかわり方の変化をご紹介します。
そして、企業やブランドがいち早く対応するにはどうすればよいのかを明らかにしていきます。
問題提起
フェイスブックの一般公開が2006年。アップルの初代iPhone発表が2007年。今からほんの10年ほど前の出来事です。 この10年の間にスマートフォンの浸透がアセアン生活者の暮らしを劇的に変えました。
この写真は2015年夏にベトナムホーチミンで撮影したもの。屋台で働く女性が最新のスマートフォンを手にしている様子は、当時スマートフォンの普及ぶりを示すものでしたが、今や何の違和感もないのではないでしょうか?
今や、アセアンは有数のモバイル大国になっています。 人口当たりモバイル普及数では、先進国地域をさえ上回っています。
(The number of mobile connections
compared to population : not unique users)
今回、私たちが問うのは、次の10年を見通したとき、何のテクノロジーが、どのようにアセアン生活者の暮らしを変えていくのか、です。
What’s next after smartphone ?
そもそもメディアはデバイスのテクノロジー進化と共にその役割を大きく変えてきました。
テレビが普及したことでマスメディアが誕生し、マスプロダクトやマストレンドなど大衆を動かすようになりました。パソコンとインターネットの普及によりインターネットメディアが誕生し、生活者は自ら情報を探し、発信することが出来るようになりました。さらに携帯、スマートフォンが普及する事で、生活者はいつでもどこでもインターネットにつながるようになり、生活者の態度もプロアクティブなものに変化してきました。
スマートフォン発表から既に10年。
私たちの問いは「次は何がアセアン生活者を変えるのか?」です。
もちろんスマートフォン技術は次の10年も中核技術で居続けるでしょう。
しかし、日本、北米、中国などでは既に次の技術革新が生活者行動を変える事例が出始めています。スマートフォンの次のテクノロジーによって、どのようなメディアが生まれ、それによってどのような生活行動が生まれるのでしょうか。
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