Think future forward

テクノロジー進化がアセアン生活者をどう変えるのか?

Assistive Mediaで
アセアンの生活は
どう変わるのか?

IoTを通じてAssistive Mediaがアセアンで使われるようになると、生活者の意識や行動がどのように変わるのでしょうか。何が消え、何が生まれるのでしょうか。
その問いと、未来への仮説を検証すべく、アセアン6か国(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン)にて「定性調査(家庭訪問調査)」「定量調査」を実施しました。

調査概要

定性調査

くらしにIoTを導入している
アーリーアダプター層への
家庭訪問調査

定量調査

IoTや未来のテクノロジーに関する
意識や実態を把握する
WEB調査

定量調査からは、「人と比べて情報を得るのが早い」「新商品を試すのが好き」「テクノロジーの最新トレンドを知っている」など、最新情報の収集意欲が高い傾向が見られます。
一方で、スマートフォンを触る時間が多すぎることを実感していたり、半数近くが「商品選びが面倒」「情報が多すぎて圧倒される」など、「情報疲れ」を感じています。


(%) 他の人と比べて、自分は情報を得ることが早いと思う いつも新商品を試すのが好きだ テクノロジーの最新トレンドについてよく知っている スマートフォンのスクリーンを見すぎているなと思う 商品選びに時々面倒になることがある 最近、情報が多すぎて圧倒されてしまう
6カ国全体 68 66 59 70 50 48
シンガポール 64 61 49 68 59 51
マレーシア 51 53 52 65 43 30
タイ 71 64 57 68 52 54
インドネシア 71 65 60 74 39 41
フィリピン 87 79 73 80 59 65
ベトナム 67 72 61 65 50 45
(%) 他の人と比べて、自分は情報を得ることが早いと思う いつも新商品を試すのが好きだ テクノロジーの最新トレンドについてよく知っている
6カ国全体 68 66 59
シンガポール 64 61 49
マレーシア 51 53 52
タイ 71 64 57
インドネシア 71 65 60
フィリピン 87 79 73
ベトナム 67 72 61
(%) スマートフォンのスクリーンを見すぎているなと思う 商品選びに時々面倒になることがある 最近、情報が多すぎて圧倒されてしまう
6カ国全体 70 50 48
シンガポール 68 59 51
マレーシア 65 43 30
タイ 68 52 54
インドネシア 74 39 41
フィリピン 80 59 65
ベトナム 65 50 45

「AIは有益か脅威か?(What AI will bring Benefit or Threat?)」という質問に対し、「有益」計が71%と、「脅威」計の4%を大きく差をつけ、好意的な評価が示されました。
国別の結果では、シンガポール、マレーシアは「利益」計のスコアが低い傾向。調査全体を通じ、特にシンガポールは他国と比べて冷静な結果が見られます。先進国で既にテクノロジー周りの開発が進んでいるシンガポールは、日本同様、AIについても冷静な判断をしているのではないかと考えられます。

  • 6カ国全体
  • シンガポール
  • マレーシア
  • タイ
  • インドネシア
  • フィリピン
  • ベトナム
  • 有益(Benefit)
  • どちらともいえない
  • 脅威(Threat)
  • ※「有益」「脅威」は、
        「とてもそう思う+そう思う」の合計
  • ※「有益」「脅威」は、「とてもそう思う+そう思う」の合計

データ出典:博報堂生活総研アセアン「アセアン6か国IoT定量調査」

IoTまわりの商品やサービスに関する「現使用+未使用者の使用意向」は、概ね6割程度。
一方で、「現使用」のみを見てみると、「音声で操作できる家電」は13%、「ロボットクリーナー」は9%、「運転アシスト機能」は10%と、アセアンの生活者にとって、IoTはまだまだ身近な存在とは言い難い状況です。

  • 行動記録できるフィットネスバンド
  • スマートセキュリティ(スマートロック、
    スマートキー、監視カメラなど)
  • 音声で操作できる家電(冷蔵庫など)
  • ロボットクリーナー
  • 運転アシスト機能、自動運転
  • 現使用
    (6カ国全体)
  • 現在未使用かつ
    使用意向
    (6カ国全体)

データ出典:博報堂生活総研アセアン「アセアン6か国IoT定量調査」

定性調査では、アーリーアダプター層の生活者が、どのようにIoTを生活に取り入れているのか、また意識や行動がどのように変化しているのかを分析しました。グローバルトレンドとして既にご紹介した「Beyond the screen」「Me Dataと、それを元にしたリコメンデーション(オススメ) 」についてアセアンでも検証すべく、それぞれが実態として表れやすい、「家=スマートホーム」「クルマ=スマートカー」「買い物=オンラインショッピング」について聴取を行いました。

対象者条件


  • Beyond the screen
  • スマートホーム、スマートカー
    スマートホーム、
    スマートカー
    step4-home-care-img
  • オンラインショッピング
    オンライン
    ショッピング

アセアン生活者とBeyond the screen 1
スマートホーム




1





2




3





4

アセアン生活者とBeyond the screen 2
スマートカー




1




2




3




4




5

アセアン生活者とMe Data/Recommendation
オンラインショッピング




1





2




3

Beyond the screen 1

スマートホーム

  • 1「タスク別の個別管理」
  • 2「画面に拘束される『フィジカルUI』」
  • 3「出先で家の様子を確認できない不便や不安」
  • 4「人に手伝いを頼む手間や不確実さ」
  • 「スマートガジェットで一括操作」
  • 「マルチタスクが可能な「『ヴォイスUI』」
  • 「常時確認できる安心」
  • 「テクノロジーが手助けしてくれる
      便利さや確実さ」

Beyond the screen 2

スマートカー

  • 1「出発前の面倒な作業」
  • 2「行き先は事前に決めておく」
  • 3「自分勝手な乱暴運転」
  • 4「クルマが故障してから直す」
  • 5「渋滞のイライラ」
  • 「気持ち良いスムーズな出発」
  • 「ドライブ途中の予期せぬ出会い」
  • 「安全運転データでインセンティブを得る」
  • 「クルマの状態をモニターして不具合を
      早期発見」
  • 「つながる機能で渋滞中も心地よく過ごす」

Me Data
Recommendation

オンライン
ショッピング

  • 1「頭の中での情報ストック」
  • 2「認知からの興味への段階的購買行動」
  • 3「欲しい商品の都度購入」
  • 「 WEB上でのMe Dataストック」
  • 「AIによる興味あるものとのマッチング行動」
  • 「AIを活用した購買タイミングでのマッチング」

スマートホームやスマートカーを使い始めているアセアンのアーリーアダプター層は、細分化された行動はなるべく「統一化」し、時間と手間のかかった行動は「簡略化」、生活の中の煩わしさは「自動化」し、常習的な行動を「魅力化」しようとしています。
このような日々の生活の中で無意識のうちに繰り返し時間を費やしている非生産的な行動(Life Routine)からの脱却がはじまり、より創造的で自分がやりたいと思える事に時間を費やすよようになっていくのではないでしょうか。

日々の中で無意識のうちに繰り返し時間を費やしているやらなければならない行動からの脱却がはじまる


細分化された行動を「統一化」し、
脱 Life Routine
  • 「タスク別の個別管理」
  • 「スマートガジェットで一括操作」

生活の中の煩わしい行動を「自動化」し、
脱 Life Routine
  • 「人に手伝いを頼む手間や不確実さ」
  • 「クルマが故障してから直す」
  • 「テクノロジーが手助けしてくれる
      便利さや確実さ」
  • 「クルマの状態をモニターして
      不具合を早期発見」

時間と手間の掛る行動を「簡略化」し、
脱 Life Routine
  • 「画面に拘束される『フィジカルUI』」
  • 「出発前の面倒な作業」
  • 「出先で家の様子を確認できない
      不便や不安」
  • 「マルチタスクが可能な『ヴォイスUI』」
  • 「気持ち良いスムーズな出発」
  • 「常時確認できる安心」

常習的行動を「魅力化」し、
脱 Life Routine
  • 「行き先は事前に決めておく」
  • 「自分勝手な乱暴運転」
  • 「渋滞のイライラ」
  • 「ドライブ途中の予期せぬ出会い」
  • 「安全運転でインセンティブを得る」
  • 「つながる機能で渋滞中も
    心地よく過ごす」

ECを活用するアセアンのアーリーアダプター層において、認知から検索の間で行われる、SNSやECサイトの中で興味や購入意向のあるものをMe Dataとして貯めるための行動、認知から興味の間で行われるMe Dataをもとにオススメされたモノとマッチングさせられる行動や購入の前に行われる買いたいものを買わずに待ち伏せする行動など今まで一般的とされてきた購買行動モデルでは説明できない購買行動が新たに生まれてきています。

我々はこの新たな購買行動を「Match-Me Journey」と名付けました。


  • Me Dataをもとにオススメされるモノと出会う行動 「AIによる興味のあるものとのマッチング」
    「AIによる興味のあるものとの
    マッチング」
  • 買いたいものを買わずに一番良いオファーを待つ行動 「AIを活用した購買タイミングでのマッチング」
    「AIを活用した購買
    タイミングでのマッチング」

Me Dataとして自分の興味や購入意向のあるものを保存する行動

Assistive Mediaの普及により、購買プロセスの中で認知したもの、興味があるもの、検索したもの、購入意向のあるものが能動的にも自動的にもMe Dataとして貯まっていきます。
さらにそこで貯まったMe Dataを活用し、AIが自動的に生活者とブランドをマッチングさせたり、時には生活者が自ら待ち伏せしてよりよい購入タイミングをマッチングさせたりするようになります。
購買プロセスのあらゆる場面でMe Dataが貯まり、あらゆる場面でMe Dataを活用したMatchingが行われています。 この新たな時代の購買のキーワードになるMe DataとMatchingのMを既存の購買プロセスに掛け合わせた、ひとりひとりのために最適化された購買プロセスが「 Match-Me Journey」なのです。

新たな購買行動モデル

それでは次の章では、Assistive Mediaによって生まれてきている新たな生活行動の兆しを元に、どんな未来がアセアンで生まれてくるのかを描いてみたいと思います。